実践力を身に着ける研修
公開日:2024.10.30
リスキリングの効果を最大化するには、ブレンデッド研修を活用した実践的な学びの設計が不可欠です。本記事では、ブレンデッド研修の効果的な進め方を解説しています。eラーニングから集合研修、課題テストまで、具体的な設計方法を紹介。実践的な人材育成に役立つヒントが満載です。
ブレンデッド研修とは
ブレンデッド研修とは、オンライン学習(eラーニング)と対面式研修(集合研修)、さらに課題(レポート・テスト)などを組み合わせた学習方法です。
ブレンデッド研修は、ブレンデッドラーニングとも呼ばれ、その名の通り複数の学習手法を組み合わせる(ブレンドする)ことで、学習効果を最大限に引き出すことを目指しています。ブレンデッドラーニングは、多様な学習スタイルに対応し、社員一人ひとりのニーズやレベルに合わせてカスタマイズされた学習体験を提供する教育アプローチです。
ブレンデッド研修の重要性
ブレンデッド研修は、従来の単一の研修方法と比較して、より効果的で柔軟な学習体験を提供します。なぜなら、オンライン学習の利便性と対面での実践的なトレーニングを組み合わせることで、知識と実践を効果的にリンクさせることができるからです。
リスキリングにおいて、ブレンデッド研修は特に重要な役割を果たします。リスキリングとは、単に新しい知識を学ぶだけでなく、それを新しい業務や仕事に実際に適用するためのプロセスです。ブレンデッド研修を取り入れることで、オンライン学習で得た基礎知識をベースに、集合研修や実地トレーニングで実際の業務の流れや課題に対する対応力を高めることが可能です。
一方で、学ぶことだけに着眼点を置いた場合、知識を得たとしてもそれを実務に活かす機会がないために、結果的にリスキリングが失敗に終わる可能性が高まります。ブレンデッド研修を通じて、学びと実践の両面をバランスよく取り入れることが、効果的なリスキリングの鍵となります。
リスキリングは、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけること」だけでなく「新しい業務や職業に就くこと」までを含みます。そのため、あくまでも「学び直し」はリスキリングの一部でしかなく、学ぶことだけに着眼点を置いたリスキリングは失敗するというのが、リスキリング支援を行っている私の実感です。
画像引用元:https://jp-reskilling.org/book
文章引用元:後藤 宗明 著 – 自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング
ブレンデッド研修の構成要素
リスキリングにおけるブレンデッド研修は主に以下の要素で構成されます。
① eラーニング(インプット)
eラーニングは、インターネットを利用してオンライン教材を自分のペースで学ぶことを可能にします。動画講義、スライド資料、ブックタイプなど、さまざまな形式の教材を提供することで、視覚的・聴覚的な学習スタイルに対応できます。また、社員は自分の時間を有効に使い、場所を選ばずに学習を進められるため、特に遠隔地にいる社員の学習効率を飛躍的に向上させます。
② 集合研修(議論・話し合い)
集合研修は、講師や他の社員と直接的なインタラクションを行う場です。リアルタイムの対話を通じて、学習者は疑問をその場で解消し、知識を深めることができます。グループディスカッションやロールプレイを行うことで、チームワークやコミュニケーションスキルを向上させるだけでなく、多様な視点を学ぶ機会も得られます。このような対面形式の研修は、オンライン学習では得られない即時フィードバックや実践的なスキル習得に有効です。
③ 課題・アンケート(アウトプット)
学んだ知識やスキルを定着させるために、社員は課題レポートやテスト・アンケートを作成し、学習内容をアウトプットします。これにより、情報の整理と理解度の確認が行われます。また、課題を通じて、自らの考えを論理的に表現し、知識を実践的な形で活用するスキルが養われます。講師からのフィードバックを受けることで、理解の不足部分や改善点が明確になり、さらなる学習の動機付けにもつながります。
④ On-the-Job Training(実践)
リスキリングにおけるブレンデッド研修には、職場での実務を通じて学んだ知識を実際の業務に適用するOJT(On-the-Job Training)の要素も含まれることがあります。これにより、リアルな職場環境での問題解決能力を養うことができ、実践的なスキルの向上を図ります。
⑤ フィードバック(フォローアップ)
継続的な改善と学習の定着を促進するために、定期的なフィードバックが提供されます。必要に応じて学習方法を調整することができるように、上司のサポートが行われます。
また、フォローアップセッションや追加の研修機会を設けることで、学習の成果を持続させ、長期的なスキルの定着を図ります。
このように、eラーニングでの知識習得に加えて、対面での実践的な集合研修、研修後に実施する課題テストやレポートを組み合わせたブレンデッド研修は、学んだスキルを実際の業務に適用できるようにするために極めて効果的です。リスキリングの成功には、単なる知識の習得ではなく、その知識を確実に仕事に活かすための実践的な学びが必要不可欠であり、ブレンデッド研修はそのための最適な手段といえます。
目的に応じたブレンデッド研修の活用法
ブレンデッドラーニングを実施する場合、どの項目をどの順番で学習させるかは、研修の目的や組織全体のニーズによって大きく変わります。学習内容の順序や形式を適切に設定することで、学習者が効率よく知識を吸収し、実務に応用できるようになります。
例1:新入社員向けの基礎研修
まず基本的な業務知識や会社のルールについてeラーニングで学習し、その後、集合研修で実践的なケーススタディやロールプレイを行い、最後に課題テストで確認、課題に対してフィードバックを行うという流れは、研修全体の理解度が向上します。
この学習順序により、社員は段階的に知識を積み上げ、基礎的な知識を確実に習得することができます。
例2:マネージャー向けのスキルアップ研修
部下の指導や業務上の課題に直結した内容について、対面で議論・話し合いを行い、その後、自宅でeラーニングと課題レポートに取り組むような設計も非常に効果的です。
この学習順序により実践的な問題意識を体系的な知識で補強し、自身の状況に適用することで、即座に業務に活かせるスキルを効果的に習得することができます。
例3:カスタマーサービス研修
はじめに、カスタマーサービス担当者に対して、日々の業務で直面する課題を尋ねるアンケートを実施します。このアンケートの結果を基に、集合研修で課題の解決策を議論し、解決策を顧客対応のシミュレーションで実践します。その後、製品知識に関するeラーニングを行い、解決策を製品の様々な場面で応用できるように研修プログラムを設計します。
この学習順序により、実際の業務に基づいた実践的なスキルを身につけ、顧客のニーズに的確に応えられるようになります。
柔軟な学習設計が可能な LOGOSWARE Xe
ブレンデッド研修の設計には、柔軟な学習プランの構築が求められます。
こうした柔軟な学習設計を実現するためには、学習管理システム(LMS)の選定が非常に重要です。
ブレンデッド研修の各要素をLMSでどのように設計・実施・管理できるかが、効果的なブレンデッド研修の鍵を握っています。
このような課題を解決するために開発されたのが、LOGOSWARE Xeです。
LOGOSWARE Xeを活用すれば、インプット→議論→アウトプットの典型的な学びのほか、さまざまなタイプに対応できます。もちろん、eラーニングだけ、集合研修だけのような単体の研修も可能です。
情報のインプット(eラーニング)には
自社教材と外部教材の活用が可能
リスキリングを進める際には、一般的な情報のインプットに加え、自社の独自情報も学ぶ必要があります。自社独自の情報を効果的に学ぶためには、LOGOSWARE SUITEが最適なソリューションです。LOGOSWARE SUITEは、社内に蓄積されているパワーポイントやPDFを活用して教材(スライド、ブック、テスト、動画など)を社内で素早く内製することができます。
さらに、LOGOSWARE Xeでは、YouTubeやUdemy™などの外部教材をURLで登録して活用することができます。これにより、外部教材で広く一般的な情報を学ぶ一方で、自社教材を通じて自社独自の知識を習得することで、リスキリングの効果を最大化することができます。
議論(集合研修)はオフライン、オンライン、ハイブリッドに対応
リスキリングにおいて集合研修での議論は、実践的な問題解決能力を養い、多様な視点を共有する上で重要です。さらに、様々な形態の集合研修が用意されていることで、学習者の多様なニーズに対応し、柔軟な参加を可能にします。
LOGOSWARE Xeは、議論(集合研修)をオフライン、オンライン、ハイブリッド(オフラインとオンライン)の3つの形式で実施できる機能を提供しています。これにより、多様な学習環境への対応が可能となり、参加者の地理的・時間的制約に柔軟に対応し、より多くの人が参加できる環境を整えられます。
思考のアウトプットで成果を測る〜効果的な学習評価〜
学習において最も重要なことは、単に情報をインプットするだけでなく、その情報を実際に使える知識や知恵に変換することです。しかし、この変換プロセスがどのくらい成功しているか測定することは、従来の学習システムでは大きな課題でした。
LOGOSWARE Xeでは、「課題レポート」「テスト」「アンケート」という3つのツールを通じて、学習者の思考のアウトプットを多角的に評価することができます。とくに、課題レポート機能は、提出から評価までのプロセスを効率化し、詳細なフィードバックを容易に提供できる点で優れています。
また、課題レポート機能では、文書ファイルだけでなく、動画などの様々なファイルを提出させることが可能です。これにより、様々な課題を社員に取り組ませることができます。
ブレンデッド研修は、リスキリングの成功に不可欠な要素です。
この点で、LOGOSWARE Xeは最適なソリューションとして際立っています。
LOGOSWARE Xeは、eラーニングコンテンツの配信にとどまらず、集合研修のスケジュール管理、出欠確認、課題レポート提出とフィードバックまで、学習プロセス全体を一元管理できる包括的な機能を提供します。自社教材と外部教材を柔軟に組み合わせ、多様な学習スタイルに対応しながら、組織全体の学習効果を最大化し、競争力の向上を実現します。
記事一覧
- 第 1 回リスキリングが成功しない5つの理由と、その解決方法とは?
- 第 2 回“最速”でリスキリング教材を準備する方法
- 第 3 回実務で使えるリスキリングを生み出す方法
- 第 4 回キャリアプランに沿った学びを提供する方法
- 第 5 回学びの意欲を引き出す方法
- 第 6 回人材育成の結果を人材配置に活かす方法
- 第 7 回実践力を身に着ける研修
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